沖縄県平和祈念資料館ranrakusaki

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・非核宣言集 | 上野村

上野村 「上野村博愛と平和の村宣言」

 戦争の惨禍を防止し、世界の恒久平和と安全を確立することは人類普遍の願いである。
 しかるにベルリンの壁が崩壊し、冷戦が終結したとはいえ、現在でもなお、世界のどこかで内線や紛争がおこり、世界各国においても依然として軍備の拡充が続けられており、世界の平和と安全に深刻な脅威をもたらしていることは、全人類等しく憂慮しているところである。
 去る、大戦において我々沖縄県民は唯一、悲惨な地上戦を体験し、多くの尊い生命や、財産に大きな犠牲を被った。
 平和の尊さと、戦争の悲惨さを身をもって体験した我々上野村民は、一切の戦争、内戦、紛争を否定し、世界のすべての国々対し、平和の尊さと戦争の悲惨さを訴え、世界の恒久平和を築いていかなければならない。
 かって、我々上野村の祖先は、今から120年余も前にドイツの商船が台風のため、遭難座礁した際、荒波の中危険をかえり見ず、小さなクリ舟をこぎ出して乗組員全員を救助し、一ヶ月余にわたり、手厚く看護してもてなし、無事本国に帰国させたという国境をこえた人類愛は、120年余を経過した今日でもなお、博愛美談として脈脈と語り継がれている。
 このようなすばらしい祖先の行為、博愛の心は、精神文化遺産として、広く後世に伝え遺すと共に村の基本理念として村づくりの推進や、国際交流の推進に一翼を担っているところである。
 我々上野村民は、博愛の発信地として、博愛の心を守り育み、世界の人々を平等に慈しみ愛することにより全世界の人々が博愛の心を育くみ世界の平和に結ぶことが出来ることと確信しているところである。
 よって、我が上野村は、慈愛にみちた博愛の心で世界の人々と共に手を携えて、世界の恒久平和と安全確立のため、かつ、全人類の福祉の増進に努めることを誓い、ここに、上野村が永久に「博愛と平和の村」であることを高らかに宣言します。

  平成6年/1994年6月17日


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