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・非核宣言集 | 南風原町
南風原町 「南風原町非核地域に関する宣言決議」
わが国は世界で唯一の核被爆国であり、その動静には世界の人々の熱い視線が注がれている。しかるにわが国政府はこれまで国連の核不使用決議に対しては反対票を投じ、アメリカの対ソ核戦略に対してはこれを積極的に支持してきた。すでにここ沖縄の辺野古基地には海兵隊の陸戦用核兵器の貯蔵整備供給の部隊が、駐屯しているうたがいがあり、さらに自衛隊のリムパックへの参加にみられるように、演習、訓練に名を借りた洋上における日米共同作戦が行われている。これらの行為が、平和憲法に違反し「非核三原則」ばかりか「専守防衛」の基本原則とも矛盾するおそれのあるものであることは、言うをまたない。
米ソの再現のない核競争を是認し、アメリカの核戦略体制に組みこまれ、自衛隊の拡充強化の方向にある現状を、われわれはとうてい黙視するわけにいかない。本来「国防」の目的は国民の生命と人権を守ることにあるはずである。かつての第2次大戦で国内唯一の地上戦場と化した狭小な沖縄本島とその周辺で、20万人以上もの死者を出し、そのおよそ半数は非戦闘員で、住民の5人に1人を超える多大な犠牲を強いられ、この事例が癒しがたい悪夢となって人々の脳裏に深く刻み込まれている。この冷厳な事実をわれわれはとうてい忘れることができない。さらにまた、政府の軍事支配が強化されるにつれて、言論と思想の自由をはじめ国民の基本的人権がことごとく軍靴で踏みにじられていったことも、全国民周知の事実である。
しかしながら、最近の自衛隊の動きをみると、それは平和憲法を無視するかのように、紛れもない「軍隊」にまで増強され、わが国はアメリカの核戦略体制にとっての前戦基地の役割を引き受けようとしているかにみえる。もしも核戦争がひとたび勃発すれば、最前線基地の沖縄はたちどころに極東の「要め石」から「捨て石」へと化すことは必定である。
このような今日の空前の危機を前にして、これを阻止する側の力は遺憾ながらおぼつかないというのが実情である。われわれは、危機に瀕したみずからの生存を、みずからの手で守るために、立ち上がるほかはないであろう。軍事力に訴えた生存権の確保などあろうはずがない。ここにわれわれは、良識ある世界の人々と連帯し、反核の「草の根」をこの大地に地球的規模で張りめぐらして、平和は軍事力によってではなく、生命をいつくしむ1人ひとりの力の結集によってこそ築きうるものであることを、身をもって示そうではないか。
最近、テレビ、新聞等で報道されているように、すでにヨーロッパでは、「自分たちの住む町や村を核戦争の為に提供することは絶対にやめよう」という願いをこめて、各地域に「非核地域」宣言が次々と成立しつつある。また、わが沖縄も、平和をつくる沖縄百人委員会のアピールに呼応して、核戦争の危機が増大し、人類絶滅の不安の中で反核運動がかつてない盛り上がりをみせている。
よって「ひめゆり部隊」の悲劇に象徴される第2次大戦の惨禍を体験している南風原町であるだけに「ふたたびあやまちを繰返させない」との決意をこめ、平和で住みよい調和のとれた田園都市を目指し、われわれ南風原町議会は、あらゆる思想、信条の相違を超えての全町民の連帯のもとに、核の廃絶をめざし、非核三原則の法制化と、これの厳守を誓って、ここに南風原町非核地域を宣言する。
昭和57年/1982年3月29日
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