沖縄県平和祈念資料館ranrakusaki

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・非核宣言集 | 金武町

金武町 「平和を創造する私たちの誓い」

過去
 1945年沖縄の悲惨な地上戦で、ウチナーンチュも、日本軍人も、アメリカ軍人も、強制連行された朝鮮の人々も亡くなった。
 一般住民がこれほど軍人よりも上回って死んだ戦争は、世界に類がない。 しかも、同胞の手にかかって犠牲になった者も多数いる。
 広島、長崎では8月6日、9日に原子爆弾が投下され、29万人余がなくなりいまなお、多くの被爆者が放射線障害による原爆症に苦しんでいる。
 戦争で傷つき、肉親を失った人々には敗戦もなければ終わりもない。いわんや風化もない。あるのは深い悲しみ、無念、怒り、祈りだけである。
 戦争は誰れが、何んの目的のために起こしたのか。  私たちは問い続けなければならない!

現在
 今日、私たちはこうした戦争を検証しているだろうか。 冷戦構造の終結にもかかわらず、一向に前進しない軍縮、核の恐怖から解放されず、世界の各地では未だ紛争がやむことなく、飢えと貧窮から死んでいく多くの子供たち。
 人権、民族、環境、差別、難民問題など、今日地球的規模で多くの課題が人類に突きつけられている。
 私たちの住む金武町も全面積の60パーセントが軍事基地に占められ、昼夜にわたる実弾演習が実施され、環境を破壊し、地域開発、子供たちの発達過程に大きな影響を及ぼしている。
 この基地から朝鮮動乱、ベトナム戦争、湾岸戦争へ出撃したことを忘れてはならない。
 私たちは訴え続ける。
 核兵器の廃絶と軍縮、実弾砲撃演習の廃止をと!

未来
 朝もやのなか、小鳥のさえずる声で、金武町の夜明けがはじます。
 渡り鳥、潮の満ちひき、田園、マングローブ、その根の茂みではおびただしい数の生物が自然の摂理に従って生き続けている。私たちの町にはこうした美しい自然がまだ残されている。
 人間と自然との関係は慈しむもの、歓びに満ちあふれるもの。そうした自然の恵みのなかで私たち未来を語り、夢をもちたい。
 未来を明るくするものも、暗くするのも私たち自身にかかっている。
 それゆえに、私たちは未来に責任を持たなければならない。  私たちは声高らかに叫ぶ。
 未来はこの地球上に生息する万物ものもだと!

誓い
 1900年、私たちの先達がハワイに第一歩をしるしてから95年、「いざ行かむ 吾等乃家は五大州・誠一つの金武世界石」と雄飛、いまや世界の国々で幾多の町民が活躍をしている。  私たちはこうした先達の「金武魂」を受け継ぎ、次のことを宣言する。
 私たちは移民発祥地の人間として自覚と誇りをもち、「命どう宝」を世界の万人に送り、世界平和の架け橋となる。  私たちは過去をふり返り、現在を語り、未来に責任を負うことを固く決意し、平和の心は、お互いを認め、互いに分かち合うことから育まれることを確認し、世界の恒久平和を創造することを誓う。

  平成6年/1994年6月19日


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